水量が 少し 増えた 朝は 高音が きらめき 平たい 石は 速い 三連符を 叩く。落葉が 流れに 触れて すれる 音が リズムの 背景を 柔らかく 染める。マイクの 角度を 少し 変えるだけで 風景の 奥行きが 現れ 写真には 映らない 深さが テイクの 数だけ 重なる。
軽い 三脚は 風に 踊る だから 細い ペグと 布で 影を 作る。ケーブルは 結び目を 作らず 指で 渦を 描く ように まとめる。バッテリーは 体温で 守り テープは ジップ袋で 湿気を 避ける。荷重の 配分を 背骨で 感じ 歩幅を 音に 合わせて 乱れた 心拍を ゆっくり 整える。
無音に 思える 時間ほど たくさんの 層が 潜む。遠くの 谷の 低い うなり 体内の 脈動 乾いた 針葉樹の 葉擦れ。録る のか 待つ のか 迷いを 紙に 書き 呼吸で 決める。選ばなかった 音も 記録の 一部として 残し 後日 聴き返し 風景の 余韻を もう一度 なぞる。